北海道とろろ昆布の開発秘話 tagged とろろ昆布 食いしん坊侍の最初の商品でもある北海道とろろ昆布。汁物やおにぎり、料理のツナギやおつまみとしても活用されるとろろ昆布は、具であり、薬味であり、調味料であり、出汁にもなる優秀な食材だと思っています。 意外かと思われるかもしれませんが、とろろ昆布はほとんど海外でも知られておらず、韓国から日本に移住して10年以上経つ知人も、存在すら知らなかったというのは驚きでした。とろろ昆布は、日本が誇る独自の食材の一つといえます。 食いしん坊侍では、当然「無添加のとろろ昆布」を提供していますが、市販で売られているとろろ昆布には、人工甘味料やアミノ酸などの添加物が含まれているものも少なくありません。私たちからすると、わざわざ昆布のうま味を人工の味にしてしまうなんて勿体無い、、と思いますが、保存や味の安定化を行うコストを抑えるために使用しているようです。 食いしん坊侍のとろろ昆布は、昆布以外の原材料は、昆布を削る時に柔らかくするために使用する「酢」のみを利用しています。どのようにとろろ昆布を作っているか、開発の裏話をご紹介します。 削るのは表面ではなく断面 とろろ昆布とは、「昆布の“表面”を削ったもの?」 と聞かれますが、違います。それは おぼろ昆布 です。 とろろ昆布は、重ねた昆布の“断面”を削ったものです。 (おぼろ昆布はシート状。とろろ昆布は糸状) 削り機にセットした昆布を上から見た画像です。 重ねられ、圧縮された断面が上を向いています。 この昆布が幾重にも重なっている面を削ります。 とろろ昆布製造の全体的な流れは以下になります。 袋詰め とろろ昆布は重ねた昆布の“断面”を削りますが、その後の“包装”の流れをご紹介します。 削られたとろろ昆布が次々と流れてきますキャッチ!計りで計量し、袋詰め出来上がり!2種類の昆布のブレンド 昆布を重ねて“断面”を削るとろろ昆布は、ブレンドが可能です。 当社の「北海道とろろ昆布」では、真昆布と利尻昆布をブレンドしています。 いずれも北海道産の昆布ですが、道南(真昆布)と道北(利尻昆布)に位置するだけに、特長も異なります。 真昆布 : 肉質が柔らかく、上品な旨味 利尻昆布 : 肉質が硬く、より強い旨味 この2種類の昆布の性質を活かすことで、とろろ昆布としてのふんわり感と、しっかりした旨味を追求しました。(アミノ酸や酵母エキスなどを加えずに) 白口浜昆布=献上昆布 当社の「北海道とろろ昆布」は真昆布と利尻昆布をブレンドしている、とお伝えしましたが、真昆布には「白口浜昆布」を使用しています。 「白口浜」とは、函館近海にあり、「黒口浜」「本場折浜」に並んで、優良な真昆布の産地として知られる道南三銘柄の一つです。 「白口浜」の呼称の由来は、昆布の切り口が “白い” ことです。 澄んだ上品なダシとして知られ、古くから朝廷や将軍に献上されたことから「献上昆布」のあだ名を持ちます。 その「白口浜昆布」を可能とする周辺環境とは ★ 栄養豊富な親潮と黒潮が混ざる海域 ★ 流紋岩地帯(昆布の栄養となるケイ素を含む) ★ 太陽光を取り込みやすい遠浅な地形 ★ ミネラル等の栄養素を豊富に供給する広葉樹林 この恵まれた環境下で、上質な昆布が育まれるのです。 包丁 とろろ昆布は、削り機で削ります。 そして、フワッフワのとろろ昆布には、削り機の“包丁”の交換が肝要です。 “包丁” 交換の頻度 柔らか仕上げのとろろ昆布には、高頻度での “包丁” 交換が必要です。 (圧縮した昆布ブロックは硬いため、“包丁” の刃に強い負荷がかかる) ・ 時間的には 約10分に1度 ・ 削る量として 3Kg以下 (当社の135g~150gの規格であれば、) ・ 20袋以下 北海道とろろ昆布 徳用 日本古来のパワーフードとも云うべき昆布を、手軽に活用できる、とろろ昆布として開発しました。自然の風味を追求して生まれた逸品です。 この記事を書いた人 食いしん坊侍 代表 大森 弘理食いしん坊侍 代表 2009年にBFK㈱を設立し、「食いしん坊侍」商品を開発、展開。 食材や料理の背景にある自然や歴史にも強い関心をもって活動しています。機会を見つけて生産現場に赴き、時には漁師体験をさせてもらい勉強しています。 最近の投稿 列島美味紀行2022年10月12日北海道とろろ昆布の開発秘話 列島美味紀行2022年10月12日THEパリパリ焼き昆布の開発秘話 列島美味紀行2022年10月6日THE鮭とばの開発秘話 列島美味紀行2022年3月7日日本の出汁文化について