アメリカのバーベキュー(BBQ)


2025年の初夏、3年ぶりにアメリカのオレゴン州ポートランドを妻と訪問しました。以前10年間住んでいましたが、改めての訪れたことでアメリカのバーベキュー(BBQ)について感じたことを書きたいと思います。

アメリカの国民食はバーベキュー(BBQ)?

アメリカにあるBBQグリル

ポートランドでは娘夫婦の家に2ヶ月滞在しました。食事は外食を除き娘夫婦宅でした。娘は結構料理上手で毎度美味しいものを食べさせてくれます。和食のこともあれば、パスタやメキシコのタコス、ベトナムのフォーの時もあります。オレゴンは前にも書いたように食材の豊かな所で様々な良い食材が手に入りますから、料理好きの人や食通の人にはとても良いところなのです。

のんびりとした2ヶ月間の滞在の中で、今更ながらアメリカで最もポピュラーな料理ってなんだろうと考えてみたところ、思い当たりました。それは、バーベキュー(BBQ)ではないかと。

週末の天気の良い日の夕方、犬と一緒に散歩に出かけると、どこからともなく肉の焼ける匂いが漂ってきて、急に空腹を覚えることがよくありました。アメリカの家庭ではどこにでもバーベキュー用のグリルがあります。庭付きの一戸建て住宅だけでなく、アパートのベランダにもそれが置かれているのを見かけます。

私からすると肉がメインという食事がいかにもアメリカらしいと思え、また、幸せな家族の食事シーンを想像させられます。これまで、私自身もアメリカでバーベキュー料理、バーベキューパーティーをたくさん経験し、この2カ月の滞在中も、週末は娘の夫(+孫息子)によるバーベキュー料理を大いに楽しませてもらいました。

1人で焼くバーベキュー(BBQ)

アメリカの日常的なBBQ
当初、日本人である私は、バーベキューと聞くと人々が集まって焼きながら食べるスタイルをイメージしていました。しかし、しばらくしてアメリカでは根本的には調理方法を意味していることに気づきました。

普段娘家族でバーベキューを食べるときは、焼き係である娘の夫が庭で1人でグリルで肉を焼き、出来上がると家の中に運び入れます。陽気な日には庭で食べることも多いですが、グリルの周りでできたてを食べるというよりは、別にテーブルがあってそこに移動して食べていました。

巨大な肉を味わうアメリカンバーベキュー

ブリスケットの画像
素材、調理方法としても日米の違いがありそうです。アメリカでは厚みのある大きな肉が主です。分厚いステーキ肉や骨ごとバラされていないポークリブの塊などがよくでてきます。
日本では、どちらかというと焼肉の延長で、薄い肉が主流だと思います。また、日本では魚介類を使うことも少なくないと思いますが、一般的なアメリカの家庭では圧倒的に牛肉と豚肉で占められるように思います。

中には、スモーカーを使って巨大なブリスケットを前の晩からじっくり焼くこともあります。赤身の多い牛の肩バラ肉を低温で長時間スモークすることで柔らかく仕上がり、濃厚なうま味と深い風味が味わえます。ブリスケットはアメリカならではのもので、バーベキューの王様と呼ばれることも多いです。

家族や友人と楽しむバーベキュー(BBQ)パーティー

BBQ料理
バーベキューは1人で焼くのが基本と言いましたが、パーティーとなると少し様子が変わります。グリルの傍には焼き係だけでなく、その家族や友人がいる光景をよく目にします。私は焼き係はその家の主人が担っているケースしか見たことがありませんが、きまって男性陣がグリルの周りで焼き係の作業を見守りながらビールやおつまみを手にして談笑していました。

バーベキューパーティーは家族や友人、知人などが集まって開かれ、気候の良い時期の週末に開かれることが多いです。パーティーをやる日は早ければ1週間ぐらい前、遅くても2〜3日前に決められ、家族や友人、知人に連絡します。どんな食材を使うか、どんな調味液でマリネするかについては主催者家族に決定権があります。家族で話し合っての作戦会議も楽しみの一つです。

バーベキュー(BBQ)に使われる食材

肉以外のBBQ
一般的なアメリカンバーベキューの主役は牛肉と豚肉、そして鶏肉ですが、日本人である我々のバーベキューでは魚貝類もよく出てきます。

バーベキュー用にあらかじめマリネされた肉を買ってきても良いですが、自分たちの好みに合わせて味付けするのがおすすめです。マリネして冷蔵庫で半日以上寝かせたもののほうが柔らかくて美味しく味わえます。

エビ、イカ、サーモン、カキ、そしてサザエなどの魚介類やピーマン、パプリカ、ナス、アスパラ、そしてとうもろこしなどの野菜は調味料や香辛料を付けながらグリルで焼きます。

炭を育ててじっくり焼く

BBQグリル
ガスグリルもありますが、バーベキュー炭(チャコール)で焼くのが趣きもあり、香ばしく仕上がるので私は好きです。

炭をグリルの真ん中に小山を作るように盛って、火を付けます。炭が多過ぎると火力が強くなり、食材が焦げ易くなるなどデリケートですが、風取り口からの風を調整しながら丁寧に炭を育てるところがバーベキューの面白さでもあると思います。

充分にアミが熱くなったら肉を焼き始めます。ステーキなどの厚さのあるものから順次焼いていきます。風取り口を閉めて火の勢いを抑え、グリルの蓋を被せて、じんわりと肉を加熱します(厚みのない肉や魚貝類は蓋をする必要はありません)。そうすることによって肉の水分が流出されずらくうま味成分がキープされ、ジューシーに美味しく焼き上がります。マリネされた肉は焦げ付きやすいので、火にかけている時は持ち場を離れず、焼き具合を細かくチェックする必要があります。

娘家族の場合は、肉が終われば次は魚貝類です。肉と同様に魚貝類も焼き過ぎないよう注意する必要があります。貝類は貝殻ごと火にかけ蓋が開きはじめたらお酒や醤油などの調味料をふりかけ、ブクブク泡立ったら出来上がりです。エビは外皮が少し焦げるぐらいになったらOK。イカは縮み始めたらほぼ出来上がりです。

野菜類については、厚めのナスなどは予め表面に切り口を入れ、火が中まで良く入るようにします。その他のものは表面に少し焦げが付く位になれば出来上がりです。とにかく、食材を火にかけ過ぎないことが大切です。

まとめ


バーベキュー(BBQ)を美味しく食べるコツは後にも先にも食材の火加減です。それぞれの食材に対する火加減が違うので、それをシッカリ掴むには経験が必要です。娘の夫は長年の経験で何時も美味しく食材を仕上げていますが、最近、大学生の息子(私にとっては孫)に火の起こし方から肉の下拵え、食材の焼き加減など、バーベキューに必要な技術を教え始めました。こうして家族が伝承していくこともバーベキューの大事な要素かもしれません。

また、バーベキューパーティーの良さは、グリルというメインステージで行われる調理作業にライブ感があることだと思います。更には、出来上がる料理を共に見守り共に食べるという共有感覚があることに一層大きな価値があるような気がします。そこに居る人たちをハッピーな気分にさせます。日本では「鍋を囲む」といいますが、アメリカでも「グリルを(遠巻きながら)囲む」と言えなくもなさそうですね。

この記事を書いた人

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青井 三郎
食いしん坊侍のスタッフ青井三郎。
戦後、奈良に生まれて大阪で育つ。6人兄弟の末っ子だったせいか、幼少の頃から食べることへの執着が強い食いしん坊だった。
野球少年だったが読書好きでもあり、日本や世界の文化や歴史に強い興味を持つ。大学時代には世界に触れたい欲求が高じ、1ドル360円の時代ではあったが、ヨーロッパ、南米、アフリカを3か月ほど巡る旅をした。結婚し東京で4人の子供を育て終えると、アメリカ西海岸のポートランドに10年間、美しい海と温暖な気候に惹かれて沖縄に3年間住む。
現在は、美食を求めて北海道へ移住。札幌を中心に食べ歩きを楽しんでいる。

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